おまえきけ

140文字で足りないときに連投してリムられないための場所

FF16をやりました(クリア後感想)

ファイナルファンタジー16の1週目をクリアしました。感想を書いていきます。ネタバレはちょっとだけあります。

プレイ時間|38時間
サブクエ消化|機能拡張を中心に消化したけど割と無視

これが「ファイナルファンタジー」である

こう書くと、おっ今回はファイナルファンタジー「らしい」ナンバリングなのかと誤解されてしまうかもしれない。そういうことではない。でもこれは「ファイナルファンタジー」だ。

ヴァリスゼアは徹底して「剣と魔法の世界」だ。生活の中に魔法が根ざしている、というのは少し正確性に欠けて、「技術の代わりに魔法が発展した世界」というべき世界。そのため住民たちは火を起こすのも魔法だし、井戸も掘っていない。水筒も持ち歩いておらず、クリスタルにエーテルを流して水を湧かせて飲んでいる。

一般人はクリスタルを使うことで魔法を行使するが、クリスタルを使わずとも魔法が使える人間もいる。これが「ベアラー」と呼ばれる人間だが、人種ではない。体質のようなものなのだが、ヴァリスゼアでは奴隷として使役されている。ヴァリスゼアではほとんど「生きる家電」と同じだ。人を癒す、水を湧かせるといったこともそうだが、洗濯物を乾かす、庭木を剪定する、コンロの火を着け続けるといったことでさえ魔法、有り体に言えばベアラー頼りだ。ベアラーたちは使い古され、最終的には魔法の行使に耐えれず、最期には石化して死ぬ。それをほとんどの一般の人間は道具を使い捨てる感覚でいる。

また飛び道具も基本的に魔法に依存している。銃はもちろん、弓兵も出てこない。「暗殺部隊なのに武器が剣なのかよ」といわれていたけど、これはクライヴの部隊に限った話ではない。出てくる武器は剣、槍、斧、杖、棍棒だけ。一応砲兵がでてくるが、これは火薬に頼ったものではなく、魔法由来のものだろう。投石器も魔法を帯びている痕跡がある。

鉄をうつ、革をなめすと言ったクラフトに関する技術はあるようだが、それを支えているのもやはり魔法やクリスタルの存在だ。

だが魔法を行使するための資源には限りがある。生活の必需品であるクリスタルを産出する「マザークリスタル」は大地のエネルギーを吸い上げていて、人の住める土地を確実に減らしていく。ベアラーも無尽蔵に魔法が使えるわけではなく、ほとんどの場合一般人より早く寿命を迎える。

かくしてクライヴは、マザークリスタルを破壊する旅に出る。クリスタルの加護を断ち切るため、魔法に依存する生活から脱却するために、彼は戦う。

クライヴの生きた時代が最後の「ファンタジーの時代」。だからファイナルファンタジー

これを描くために「ファンタジーの世界」をかなり真摯に描いている。16の最大の魅力はここだと思う。

新時代を生きるために彼らがしなければならないことは、まだ「ファンタジーの世界」を生きているクライヴの仲間たちが実践している。植物の品種改良、浄水器やふいごの発明。そういった話が出るたびに「そういえばこんなことまで魔法に依存してるんか…」と驚かされる。ストーリー上でも「ここで遂に飛空艇か?!」というところで、飛空挺ではなく竜の背に乗ったりするのだけど、「まあ…そうか…」となる。

ゲーム性について

私はアクションゲームはとりわけ得意でも下手でもないというところだが、十分楽しめた。感覚としてはDMC5に近かったけど、DMCほどボスごとにしっかりとした対処法があるというよりは、いくつかのパターンがあるという感じ。敵への対処パターンは多くなく、増えていくアビリティやらつけ外しできる補助アクセサリやらで戦い方を固めて、良さげな動きを探っていくという点ではモンハンに近い感覚を感じた。よくキングダムハーツと呼ばれてるけど、あれを想像すると少し爽快感や操作の快適性のようなものにかける感じはあるかもしれない。
エフェクトがバリバリなので目視で入力するというのが時々かなり難しいのが、どうかなあ、というところ。99.99%面白く遊んだのだけど、オリジンを出してくる前のアルテマ戦だけまじでしょうもなかった。苦戦の方向性があんまりよくなかった。でもアビリティポイントをすぐ払い戻しできたり、トレモで試せたり、かなり快適に作られてると感じた。
あとアクションということでレベリングがほとんど完全に不要なのもよかった。ゲームオーバーになってもすぐにリスタート、特定のフェーズを経るとそこからなので、(負けたことが少なかったのもあるけど)かなりストレスフリーに遊べた。

後半は召喚獣バトルも面白かったけどトレモがないのが残念。

FF14プレイヤーという「歴代プレイヤー」へのファンサービス

さて、少し話題にするゲームが変わるが、今回FF16を作ったチームはFF14も作っている。これはMMORPGで、今までに出てきたナンバリングタイトルのオマージュがそれなりの頻度で出てくる。「しんりゅう」がでてきて開幕にタイダルウェイブしてくるといった、歴代プレイヤーが「おっ」となる要素があるのだ。
だが、14だけやっているプレイヤーは当然これを味わうことはできない。そういったプレイヤーにも「その感じ」を味合わせてやろうという気概が16には感じた。14をやっていたらクスリと思える程度だが、まあまあの頻度である。
キマイラが出てきたら氷結の咆哮と雷電の咆哮をしてくる。ガルーダにはスパチラがついてくる。タイタンは重みを重ねてくれないし、エクサフレアは出てくるし、最強技はトライディザスターだし。そういえばフェニックスとバハムートに深い繋がりが発生するのだけど、これも大迷宮バハムート繋がりだなあと思ったりした。
14プレイヤーには是非やってほしい。

「深い関係」をしっかり描写してくれる喜び

よくよく考えると、ファンタジー世界の恋愛描写は難しい。真面目に考えると確実に現代人と確実に感性が異なるので、共感できる描写にしにくい。特に12、13、15といった「最近のFF」ではかなり意識して恋愛描写が避けられていたように感じる。
ただ今回はクライヴとジル、ディオンとテランスで明確に描かれる。しかも手前に「これは普通に、ただならぬ関係だろう」という描写がきちんとあって、そしてきちんとキスするので、ヤッターーーーーーーーー!!!!となる。本当にありがとう。大好きだよ。

総括すれば、このゲームのためにPS5を買っても全然いいゲームだと思う。
吉田、ありがとうな。