おまえきけ

140文字で足りないときに連投してリムられないための場所

オンライン同人イベントあわせ自家通販をする人向けの備忘録

人はいつ、どのタイミングで新しいことに出会い、新しいことをはじめるかわからないもの。同人業界では飛沫感染症対策の煽りを受け、オフライン型の同人イベントの開催や出席、参加い人々が足踏みしている中、書店主催のいわゆる「エアイベント」、そしてpictSQUAREを使ったオンラインイベントが台頭してきています。これらが定着するかは不明ですが、とにかく私のフォロワーにもその折で「今までやったことないけどやってみようかなあ、同人活動をよ」という人が結構な数いらっしゃるわけです(いいことだ……)。

前回pictSQUAREでありがたいことに100件近いご注文をいただき(ワオ)その発送を全て一人で行ったのですが……。俺ァ今までオフラインの同人活動をやっていたし通販発送も初めてじゃないのでなんとかなったがこいつあ……不慣れな人間がやったら「コト」だぜ……と思ったので、なんか参考になるような経験談を書こうと思います。

このやり方はエクセルが結構使えないと難しいかもです。

利用するサービス

今から書く内容以外のことは一切でてきません。ご了承ください。

pixivが提供する通販サイトの「BOOTH」を利用する方法を紹介します。

booth.pm

BOOTHではBOOTH側が在庫を持ち発送代行をしてくれる書店委託に近いサービス(倉庫サービス)もありますが、今回は自分の家に在庫がありそこから発送する方法で紹介します。

また発送はあんしんBOOTHパックという、発送する側と受け取る側の住所のやりとりが双方必要のない匿名配送を利用します。

booth.pm

その上でヤマト運輸の指定するサイズ内であれば定額で送れる*1ネコポス」を利用します。送料設定が著しく楽だからです。

確認を推奨する項目

近くにヤマトの営業所がないか確認しましょう

コンビニからの発送も可能なのですが、結構レジを占有するので、どんなにスムーズにやっても一回に3〜5件発送できたら良い方(それ以上はまじで気が引けました)。できれば営業所から直接発送したいところです(端末操作はほぼ同じです)。それでもヤマトの人に「それ全部送るの……?」って顔されましたけどね。そうです。まあ、普通しないよな、一般人が業務外で一気に20件も発送なんて……。

ネコポスで送れるサイズの上限を確認し、送れないものを作らなかったり、送れない数注文できないようにしたほうがいい

ネコポスで送れるものはA4の梱包材に入るもの、なので大抵のものは送れますが、厚みが結構厳しいです。アクキーの類はほぼ必ずいけますが、Tシャツがいけて2枚、同人誌も150ページを超えてくると少し怪しい。150も書かんやろうというのはそうなんですけど、40ページの同人誌を三冊送るのでギリギリと思うと、特に小説本を出される方なんかは一人が注文できる数にきちんと上限を設けた方がいいということがわかっていただけるかとおもいます。

ネコポスで送れるサイズの様々な梱包材などを売ってくれる梱包材やさんも結構あります。

イベント合わせで作る頒布物は一つだけにしておくのがいい

匿名配送において、一気に発送する作業がめちゃくちゃ大変だからです。いつもの即売会のノリで色々作ったんですが、マジで発送するものが間違ってないか1000回確認し、その発送物と今から読み込むQRコードの注文番号が合致していることを祈りながら肝が冷える思いで発送することになりました。詳しく後述しますが発送する内容が固定であればある程度ズルできるので、はじめてという方はイベント合わせで出す頒布物は一つにしておく方が無難かと思いました。少なくとも作ろうとしているものの総数=作らなければならない荷物の数になる可能性も0ではないことは考慮した方がいいですね(例えば本を30冊、アクキーを20個作ったとして、全部バラバラに注文いただいたら荷物を50つくらないといけないことを考慮する)

普通の即売会と違うところ

即売会はインターネットに生きる民全てが嫌う顔出しならぬ体出しに伴うあらゆるトラブルを彷彿とさせるのでハードルが高く感じられますが、基本的に対面で当人に今やりとりしようとしているお金と物品の内容は正しいか確認してもらえますし、なんかあってもワンチャンスペースに戻ってきてもらえますが、通販でそれをやるとコトです。主に送料が……。なので発送物が正しいかの確認は即売会の2億倍気を遣いました(この辺り私の周辺には優秀な売り子が多くて助けられてるのもあり……)。

通常発送と違うところ

通常封筒に宛名を書いて、その横に中身に何を入れなければならないか書き込んで、確認をし、封をすれば、あとは投函なり集荷なりとにかく発送作業をしてしまえば間違えようがないですが、匿名配送はいわば「宛名を書く」作業(その封筒がどこに送り届けられるかを指定する作業)を営業所など現地で行うことになるので、どうしても「誰かと誰かの発送物が自分の手違いによって入れ替わる」危険性を考慮しなければなりません。特にコンビニ配送だとそう。かなりストレスがかかります。家にプリンターがあって(宛名を印刷してもらうための)QRを直接貼ればぎりぎり……というところですが、そのQRをはるときにミスったら確認のしようがないし……。

ただし注文される内容が同じなら、別にあべこべになっても問題ありません。すると営業所で照合する作業を完全に省略できます。神ゲーになります。まじで。

イベント合わせで自家通販するということ

イベントの開催に合わせて一気に注文をいただくことになります。まあそれはお前がたまたまそうだっただけじゃん、私本とか20冊しか刷らないし、って思ってもその20冊が全部お嫁に行くと短期間で20件の発送作業を抱えることになります。こいつぁコトですよ。その上頒布物がたくさんあると、この人は本もアクキーも買っていて、この人はアクキーだけで、とバリエーションが増え、同時に発送数も増えることになります。

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これは自分が発送作業するときのために実際に使ったリスト

自分の場合はBOOST(BOOTHでの購入者が任意に支払額を上乗せしてくれるいわゆる投げ銭機能)してくださった方にはお礼品をつけていたのでそれでも発送物にバリエーションが生じました。

今までオフラインイベントの事後通販をしたりはしていたのですが、今まで注文いただいたので多くて15件ぐらい。それも一気にいただくわけではないです。なのでそれほど苦労したことなかったのですが、流石に100件も発送していると内容が合っているかどうかは「祈り」の区分になってきてました(しかもどれもこれも売り切れる注文数いただいたので、かりにミスってたら補填のしようがないし)。今のところ一件も問い合わせがきてないので祈りが通じたと見るべきでしょうか……。

諸費用の確認

これはあくまで私の同人活動における信条ですが、全ての在庫を出し切ったときに赤字にならないようだけはするため、かかる金額を全て確認しましょう。BOOTHで設定できる送料はあくまで「送料(ヤマト運輸に払うお金)」だけなので、別途固定でかかる梱包代を本体代に乗せるなどの工夫が必要です。その上決算手数料だったり、振り込み手数料だったり、色々と目減りしてしまうものなので、一応確認しましょう。価格設定しないと頒布が始められないから……(吐)

イベントが開催するまで(前準備)

商品登録

イベントの参加を決めて頒布物があらかた出来上がり頒布の目処が立ったらBOOTHに商品登録しましょう。「自家通販がしたい」を選び項目を入力していきます。「イベント名」は入力しなくても良いです。「送料」のところで「あんしんBOOTHパック」「ネコポス」を選びます。

また「オプション」の項目で色々設定できるのでカラムを開いて設定すると良いと思います。

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特にネコポスの規定内に収める観点から「限定販売数」に入力をしておくことはおすすめします。あと「発送予定日」にオンラインイベントの日を設定しておくと良い感じです。

商品登録をしたら注文を受け付けられる状態になります。

Googleスプレッドシートを作る

私は注文内容をまとめたスプレッドシートを作りました。非常に便利でした。後述する発送時の観点から、出先でも閲覧したり編集することができるクラウド対応の媒体でリストを作ることをおすすめします。

なお私はパソコンで作業していますが、スマホスプレッドシートの操作感はかなり悪いので頑張ってください……。

書き留める内容は以下

  • 番号
    並び替えとかした時にもとの順番に戻せるように注文番号とは別に自分で番号を振っておくと後々楽かも知れません
  • 注文日時
    先に注文してくれた方を飛ばして後に注文してくださった方に発送することが極力ないようにする為
  • 梱包作業をしたかどうかのチェック
  • 注文番号
  • 支払済かどうかのチェック
  • 注文ごとの個別URL
    https://manage.booth.pm/orders/注文番号 がその注文に対しての個別URLになります。そのため最初からセルに共通のURLを入れておくと便利です
    個別URLからは必ずリンクが飛ぶようにしておきましょう(何もしてなかったら多分そうなりますが)。
  • (BOOSTしてくださった注文者に対して返礼品を用意するなどがあれば)BOOSTの有無のチェック
    今回はBOOST返礼品をつける前提でお話ししますが、そうしろと言っているわけではなく、その方が発送がややこしくなるのでややこしい方で説明してるだけです(だいじ)。
  • 発送期限
    発送期限が近づくとBOOTH側から警告が来ます。その回避のために一応書き記しておきます(発送作業のデッドライン)
    発送期限は自分でショップ設定から指定できます。
  • 営業所持ち込みの時に使うチェック欄
    ここにチェックしている注文を今日営業所に持ち込むゾ〜ってときにチェックして、発送したら外します
  • 発送済みかどうかのチェック

その上で頒布物にバリエーションを持たせる場合は、その欄も必要になります。

チェックボックスの作り方はこちら

support.google.com

頒布物が届いたら

印刷所からブツが届いたらまず数を確認しましょう。そのあと中身を確認し、問題がないことを確認したら、用意した梱包材の中に一つずつ全部詰めましょう。ペーパーを入れたい、名刺を入れたい、など色々あると思いますのでそれを一つずつやり、あと封をすればいいという状態のブツを段ボールなどに入れておきます。この時注意すべきことは封をしてはいけないということです。

もしかしたらすぐ全部の在庫が出ていくことはないかもしれませんが、まあやっておけば後々の自分が絶対に楽です。そして人間は同じ行動を繰り返す方が効率が良く、正確です。

複数の頒布物を作ってしまった人は一番多いものに合わせてとりあえず梱包しておきましょう。

注文をいただいたら

注文が来るとBOOTHからメールが届きます。その内容を全てスプレッドシートに書いていきます。注文が来た順を守ってスプレッドシートに入力するのが色々確実です。

注文が来ると注文番号が発行され、注文ごとの個別ページが出来上がります。そこから支払い済みかどうか、何を注文してもらったか、boostはあるのかなどが確認できる他、匿名配送のために必要なQRコードがこのページから発行できます。

これが発送の時に必ず必要になるので、全て正確にスプレッドシートに書いておき、アクセスできるようにします。この状態でやるのはこれだけです。

注文時点で支払いが完了していない場合はあとで支払い完了通知だけが来ます。人間以外とうっかりなので誰か一人は支払い期限に間に合いません。注文をもらったら、ではなく、支払いが完了したことをBOOTHが確認したら次のステップに移りましょう

支払いが確認できたら(梱包作業)

支払いが確認できたら作っておいた段ボールから発送するブツを取り出し、封をします。そして、「梱包作業をしたかどうかのチェック」欄にチェックを入れます。

boostした人に向けての荷物の場合は、外から見て明らかにわかるような目印をつけた上で、通常の発送物とは分けてまとめておきましょう。私の場合はカラー付箋を梱包材につけておきました。

頒布物が一つであれば、スプレッドシート上でどの注文番号の梱包をしたかという記録をして、BOOSTした人むけ、そうじゃない人向けで分けておくだけで、封筒に注文番号を記入して照合するなどする必要はありません。楽〜〜!

頒布物をたくさん用意した人は封筒に注文番号を記載しておきます。

発送作業 前半

ただでさえ発送に時間がかかるので家での下準備が大事です。

まずシート上で梱包作業をしたものだけを出すため「梱包作業をしたかどうかのチェック」の列でフィルタリングをかけ、梱包作業をした注文のみを表示させます。

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そして今日発送するぞ、というものだけ注文ごとの専用アドレスにアクセスし、匿名配送用のQRコードの発行を行ます。そこまで済んだら「営業所持ち込みの時に使うチェック欄」にチェックします。

その作業がすべて終了したら「そのチェック欄にチェックした行だけ」を表示させます

ここまでが共通です。

頒布物が単一の場合(発送物の種類がboostされている/されていない程度しかない場合)

boostの有無を示すチェックボックスでデータの並び替えを行い、boostしていただいている注文が上に表示されるようにしておきます。

support.google.com

何度も書いて恐縮ですがboostしてくださった向けの人の荷物は分けておき、ぱっと見でわかるようにしておきます。付箋をつけておいたと書いていましたが、これをはがすのは発送する時です(ヤマトの人に渡す時にはがす)。

頒布物が単一ではなく、封筒に注文番号を書いた場合

紙袋などを用意して、その中に荷物をスプレッドシートの順番通りに詰めていきます。注文番号3、5、7の順にシートに記入されてるなら、紙袋に注文番号3の封筒をいれ、次に5をいれ、7をいれ……としておきます。

発送作業 後半

以上の準備ができたらお出かけします。

端末の操作方法などは以下から確認してください。

ファミマからの場合|https://booth.pm/anshin_booth_pack_guides/famiport

営業所からの場合|https://booth.pm/anshin_booth_pack_guides/nekopit

ここからやることは基本的に一緒です。スプレッドシートを開いて、上から順番に個別ページにアクセスし、QRコードを読み取り、紙袋から荷物を取り出して、店員さんに渡します。渡したらブラウザから発送した注文の専用ページを閉じます。荷物と注文番号を厳密に紐付けなければならない場合は指差し確認します。次の発送をするためにまたスプレッドシートに戻ってアドレスをタップすると思いますが、その時にさっき発送作業した注文の「発送済みかどうかのチェック」欄にチェックをしておきます。

これを繰り返します。

頒布物が単一の場合は、先にboost返礼品付きのものを全部発送してしまうだけで、あとは照合とかせずどんどこ発送作業をしていけます。

注文番号と紐付けなければならない場合でも、上から順に発送作業をしてく関係上、手元の荷物をとりあえず先に並べておけば気持ち楽です。

最後に

家に帰ってきたら発送済みのチェック欄に入っている注文番号から専用ページに飛び、BOOTHから発送通知を購入者に送ります。

発送完了!のボタンを押したらスプレッドシートの「営業所持ち込みの時に使うチェック欄」を解除します。

 追加で発送しなければならない時も、「支払いが確認できたら」から繰り返していきます必ず発送済みの注文や、未支払いの注文が混ざらないようにフィルタリングを使って調整します。

以上です。

感想

正直に申し上げて100件も自宅から発送したらそいつぁもう業務です。結構大変でした。

序盤にも書きましたが、自分が作った「実物」を手にとってもらえるという点において、やはり同人即売会以上にハードルの低いものはありません。オンラインイベントにでたいけど何をどう用意したらいいかわからない、通販って大変そうだなという気持ちは大変わかります(なぜなら今でも若干はそう思ってるから)。

この流れが一時的なものかそれとも恒常的なものになるかはわかりませんが、やはり二年前と比べると自家通販による精神ハードルが低いのは確実かなと思います。多くの方の一助になれば幸いです。

*1:本当は定額じゃないけどpixivくんが身を切っている